四国の静かな図書館にたどり着いたカフカ少年が出会ったのは、
30年前に流行した一曲の歌──「海辺のカフカ」。
そして、夏の光に包まれた“海辺の少年”の絵。
さらに、どこかで運命を感じさせる、15歳の美しい少女。
一方、猫と話すことのできる不思議な老人・ナカタさんは、
世界と世界がつながる“境界”を探して旅を続けます。
二人を導くように現れる、謎めいたキーワードと闇の世界。
その先に「出口」はあるのか──。
そして最後に、カフカ少年にかけられる“カラス”と呼ばれる少年の言葉。
「君はいちばん正しいことをした。他の誰をもってしても、君ほどはうまくできなかったはずだ。だって君はほんものの世界でいちばんタフな少年なんだからね。」
ページを閉じたあとも、この言葉が胸の奥で静かに響き続けます。
現実と夢、孤独と希望、罪と赦し。
それらが入り混じる“海辺”で、村上春樹が描く世界は、確かに私たちの心のどこかとつながっているのかもしれません。


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